シロアリ

切り株を埋めるとシロアリが発生する?!自分でできる切り株の処理方法について紹介

お庭や公園の切り株にシロアリが群がっていると住宅の方へ飛んできて被害をもたらすのではないか… と心配に思うでしょう。

また、自宅の木を伐採したけど抜根しきれず、切り株の処理に困っている、切り株を埋めてしまいたいけど土のなかでシロアリが繁殖しないか心配、といった方もいるかもしれません。

実際は、切り株を放置しているとシロアリが寄ってくるから危険!といった過度な心配は不要です。

切り株の正しい処理方法と、シロアリから住宅を守るためにできることについてわかりやすく解説していきます。

ぜひ最後まで目を通してみてください。

切り株を埋めるとシロアリの発生率が高まるわけではない

結論、切り株を放置したり、土に埋めているからといって、特段にシロアリの発生率が高まるわけではありません。

とはいっても、シロアリは木材やダンボールにふくまれる「セルロース」という物質を餌に生きていて、切り株ももちろんセルロースでできているのでシロアリの大好物です。

そもそもシロアリはどこにでもいる

そもそもシロアリは、高温多湿で森林や土が豊かな日本の風土を考えればどこにでも生息しています。

日本には現在22種類のシロアリが生息していますが、建築物を加害するシロアリが主にヤマトシロアリとイエロシロアリです。そのほか、最近”乾燥シロアリ”の仲間であるアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリの被害が増えてきています。

日本には現在22種類のシロアリが生息していますが、建築物を加害するシロアリが主にヤマトシロアリとイエロシロアリです。そのほか、最近”乾燥シロアリ”の仲間であるアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリの被害が増えてきています。
ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土に、イエロシロアリは神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域と千葉県の一部、それに南西諸島、小笠原諸島に分布しています。イエロシロアリは千葉県以西の温暖な海岸線に沿った地域に散発的に発生しており、ダイコクシロアリは奄美大島以南に分布しています。(公益社団法人日本しろあり対策協会 より)

公益社団法人日本しろあり対策協会では、シロアリの分布図を公開しています。

画像引用元/公益社団法人日本しろあり対策協会
画像引用元/公益社団法人日本しろあり対策協会
画像引用元/公益社団法人日本しろあり対策協会

切り株を放置しているから、切り株を埋めたから、といってシロアリが発生するわけではなく、もともと近くに生息していたシロアリが餌が豊富な切り株付近にあらわれ、それを目撃した、といった経緯が考えやすいです。

切り株にたかるシロアリ駆除よりも住宅のシロアリ防除対策が大切

切り株に群がるシロアリをみるとゾッそして切り株の処分をしなければ!と思うかもしれません。

もちろん、切り株の処理はした方がよいに越したことありませんが、それよりも重要なことは、住宅のシロアリ防除対策をすることです。

切り株があってもなくても、埋めていてもそうでなくても、シロアリが土の中にいる可能性は十分ありますし、シロアリ対策をしていなければ土の中から床下へやってきて、基礎や土台に使用される木材を侵食していきます。

切り株を処理して抜根したり腐らせた結果、シロアリの餌やすみかがなくなってしまったら拠点を住宅の方へ変える可能性すらあるのです。

シロアリはどこにでもいると考える

先程の日本しろあり対策協会によるシロアリの分布図から、シロアリは対象地域内ではどこにでも生息している可能性があります。

シロアリ被害にあってしまってからでは手遅れなので、シロアリ点検や防除薬剤の散布など、シロアリ被害から住宅を守る方法を通じて積極的に対策をしていくのが吉です。

住宅のシロアリ防除と定期点検さえしていれば、庭や近所の公園に切り株があろうとも住宅のシロアリ被害から逃れることができます。

新築のシロアリ防除施工は5年間で効果がうすれていく

新築であってもシロアリの点検、防除は必要です。

新築の時点で多くの住宅がシロアリ防除の薬剤散布をしています。

シロアリ防除の薬剤の効果はおよそ5年間です。

以前は10年以上効果の持続する薬剤も使用されていましたが、長く効果を持続させる薬剤はそれだけ成分分解されにくく環境や人体に悪影響を及ぼす可能性があるため、日本しろあり対策協会で認定される薬剤の有効期限は5年間とされています。

建設時から5年以上経過していれば、シロアリ防除の薬剤効果が薄れているということなので、再施工や点検が必要です。

多くのシロアリ点検、駆除会社も5年ごとの薬剤再散布や点検をうながしており、またシロアリ再発生の保証期間も5年間としています。

無料の床下点検や見積もり作成をしてくれる業者を活用する

シロアリ点検や予防施工の業者、というと虚偽の被害報告で高額な請求をしたり、手抜き工事によってシロアリの防除ができていなかったり、といった悪質業者が存在するイメージがあるかもしれません。

悪質業者の特徴は、突然訪問してきてシロアリ点検をすすめてきたり、見積書の内容が不明確なことです。

逆に、自分から現地調査や訪問見積もりを依頼する業者や、見積書の内容が明確で説明が丁寧な業者は優良であることが多いです。

基本的に、シロアリの予防施工や駆除の際には事前に現地調査と見積もりを作成して、納得したうえで契約、工事、となります。

現地調査や見積もり作成は無料でやってくれることがほとんどなので、複数社に調査と見積もり作成を依頼して一番信頼できる会社を選択するのも良い方法です。

悪質業者の特徴や、見積書の見方、優良企業の一覧などを別記事でまとめているのでぜひ参考にしてください。

切り株を自分で処理する方法

「切り株よりも住宅のシロアリ対策をしてといわれても、庭に放置せずになんとかしたい!」という方に、切り株の処理方法を紹介します。

木を伐採したときに一緒に抜根してしまうか、業者に依頼するのが一番ですが、根が深くて処理しきれなかったり高額になってしまうときは以下の方法を参考にしてみてください。

根っこまで掘りおこす

原始的ですが、根が地中深くまで張っていなければ自分で根っこまで掘りおこすことも可能です。

体力勝負になってしまいますが、とにかく掘っていくだけなので特別な技術は要しません。

場所があれば、ある程度掘ったのちに幹にロープをかけて車で引っ張ることも可能です。

そのさいに、根本ぎりぎりで伐採してしまっているとロープをかける場所がなくなってしまうので、少し丈を残して伐採するようにしましょう。

除草剤を使って切り株を枯らせる

市販の除草剤を使用して切り株を枯らせ、掘り起こしやすくする方法です。

切り株の表面にドリルでできるだけ深く、複数の穴をあけてホームセンターで販売している除草剤を注入します。

切り株が枯れて根の張りを止めることができ、かつ掘り起こりやすくなります。

しかし、除草剤を注入するときは、薬剤によってはほかの植物や人体への影響などを十分考慮する必要があります。

灯油を使って切り株を腐らせる

除草剤のかわりに、切り株にドリルで穴をあけて灯油を注入することで木を枯らせる方法もあります。

灯油をまいておくとシロアリが寄ってくることも防げて、簡単な方法ですが、灯油を庭にまくという行為なので火元には十分注意が必要ですし、臭いが気になるといった懸念点もあります。

切り株の正しい処理と住宅のメンテナンスでシロアリ被害は防げる!

切り株を放置していても、埋めてしまってもシロアリ発生率が特別高くなったり、住宅にシロアリの被害が出やすくなることはありません。

しかしシロアリにとって、日本の土壌や環境は住みやすく、切り株もシロアリが大好きなセルロースを含む木材です。

切り株のあるなしにかかわらず、住宅メンテナンスのひとつとしてシロアリ点検や予防施工をしておきましょう。

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