シロアリの被害は、建物や家屋の大きな損害を与える可能性があります。
シロアリによって家の柱や断熱材の耐久性が弱まっていると、地震や台風などの自然災害でも家屋崩壊のリスクが高まってしまいます。
早期の発見と的確な対策が重要ですが、多くの方がはじめに抱く疑問の一つが「シロアリの調査は無料なのか?」ということでしょう。
このページでは、シロアリの調査に関する基本情報に加えて、見積書の読み方や優良業者の見極め方についてくわしく解説しています。
マイホームをお持ちの方は、築浅であってもシロアリ被害を予防するために定期点検と実態調査が重要なので、ぜひ最後まで目を通してください。
目次
シロアリの無料調査って本当にあるの?
多くのシロアリ駆除業者は、初回の現地調査や見積書の作成を無料で提供しています。
これは、お客様との信頼を築くためや競争力を維持するため多くの業者が取り入れています。
ただし、無料であるからこそ、業者の信頼性やプロの姿勢を確認することが肝要です。
床下へ入るための間口が狭かったり、特殊な建設構造により専用機械が必要な場合は、シロアリ調査が優良な例もありますが、多くは本当に無料で現地調査・見積書の作成をしています。
突然の訪問で、限定キャンペーンでのシロアリ調査をしている、というように本来有料の調査を今だけ格安・無料でやっている、というアピールをして契約まで急かす悪質業者もいるので、突然たずねてくる訪問調査には注意しましょう。
見積もりの内訳(具体的な項目の紹介)
シロアリ防除施工の見積書でよくある項目について紹介します。
優良業者は、見積書の項目内容について、ひとつひとつ丁寧にどのような工程でなぜ必要か、説明をしてくれるでしょう。
シロアリの防除施工には、シロアリ駆除・予防に直接関係のある項目と、シロアリ対策をより強固にするために付帯したほうが良い任意の項目があります。
シロアリ防除における必須項目
シロアリの駆除・予防をするために必須の項目を紹介します。
・作業料金・基本料金(技術料金・人件費)
シロアリ駆除や予防施工にかかる基本料金です。
・薬剤料金
天然系薬剤は、通常のものよりも約1.2倍の価格になります。
散布の範囲によっても薬剤料金が変わります。
業者や工法によって作業料金が異なりますが、下記がおよその平均相場です。
「1坪」「㎡」の表記に違いがあるので注意しましょう。
シロアリ駆除の費用相場(1坪=3.3㎡あたり) | 10,725円 |
シロアリ駆除の費用相場(1㎡あたり) | 3,250円 |
シロアリ防除における準必須項目
シロアリ駆除・予防のための準必須項目を紹介します。
これらの料金は、業者によっては必須項目にあたる作業料金・基本料金に含まれている可能性もあります。
・出張費用/駐車場費用/養生費用(家屋が汚れないようカバーシートをしく)
・床下点検口の作成費用:約3~4万円
床下に入るための点検口がないつくりの家屋の場合は、床下点検口を新設します。
任意の追加項目
シロアリ防除とは直接関係のない湿気対策や基礎補強など、家屋を長持ちさせるために状況に応じて追加すべきオプションがあります。
本当に必要な項目かどうかは業者によって意見が異なることもあるので、複数社の見積もりをとって比較するのがよいでしょう。
悪質な業者は、費用を多くとるために不要なオプションまですすめてきたり、あたかも必須項目かのように説明してくることもあるので要注意です。
・湿気対策費用(防腐処理費用、調整剤設置、床下換気扇設置など)
・カビ対策費用
・基礎補強工事費用 など
見積書の作成において注意するポイント
見積書を作成してもらうときに注意するポイントを紹介します。
大前提ですが、シロアリ駆除・予防を依頼するとき、現地調査をせずに築年数や間取りのみで見積もりをだすことはおすすめしません。
シロアリの被害状況や薬剤散布の方針は、実際に現地を調査しないと正確にはわかりません。
また、書類を作成せずに口頭で見積もりを伝える業者がまれにいるようですが、聞いていた金額やサービス内容が変わっていたりあとからトラブルになるケースもあります。
徹底した現地調査
優良なシロアリ駆除業者は、建物全体をすみずみまで調査して被害の範囲や原因を正確に把握したうえで見積書を作成します。
家屋の規模や構造にもよりますが、家屋のすみずみまでシロアリ調査をおこなえば最低でも30分、平均1時間はかかります。
トイレやお風呂などの水回りも重要な調査箇所です。
天井を少し覗いたり、壁をたたく、外壁をみただけではシロアリの十分な確認ができないため、シロアリ点検において作業が早い業者が優れている、という判断はできません。
調査をおろそかにされては、シロアリ被害を見逃してしまったり、必要以上の薬剤散布をすることになってしまう可能性があります。
透明性のある見積書
見積書はわかりやすく、細かい項目ごとの料金が明記されていることが重要です。
作業内容や人件費、材料費などが具体的に記載されているか、説明があるか確認しましょう。
シロアリ被害の状況や駆除が必要な場所について「床下全体」といったざっくりとした表記ではなく、「図面上のこの箇所にどの程度の被害がある」と具体的に駆除の必要性を説明してくれるような業者をえらびましょう。
現地調査では、床下の状況をカメラで撮影したものをみせながら説明をしてくれる業者も多いです。
追加料金に対する警戒
一部の業者は、作業中に予期せぬ問題が発生した場合に追加料金を請求することがあります。
優良業者は事前に追加料金の可能性を説明したり、納得がいくまでコミュニケーションをとる姿勢があるでしょう。
実際には、現地調査をしてから見積書をだせば、そこから大きな料金変更がある業者はほとんどいません。
施工後にトラブルにならないよう、追加料金の発生について契約前に確認しておきましょう。
はじめから「追加料金は一切なし」と明記している業者もいるので、そういった業者は安心感がもてますね。
優良業者の見極め方
現地調査・見積書の作成を依頼する前に、優良業者かいなかを見極めるポイントを紹介します。
クチコミ・評判の検証
ネット上のクチコミや評判を確認することで、過去の顧客の実際の体験を知ることができます。
肯定的な評判がある業者を選ぶことが安心感にもつながります。
保証やアフターサービスの提供
優良な業者は、施工後にも顧客との信頼関係を大切にし、保証やアフターサービスを提供しています。
これらのポリシーがしっかりしている業者を選びましょう。
多くのシロアリ業者は5年間の再発保証をつけています。
シロアリ防除の施工後、5年間以内にシロアリの被害が再発した場合や、シロアリによって家屋が損害を受けた場合に、再施工や保証料金を支払う、といった内容のものが一般的です。
これは散布した薬剤が約5年間をめどに自然分解されて効果が半減してくるためです。
契約前には保証内容やアフターサービスについて確認をしておきましょう。
専門知識の確認
シロアリ駆除は、専門的な知識が必要な作業です。
業者のスタッフが適切な資格や経歴をもっていることを確認しましょう。
シロアリの駆除・予防施工をするためには、法律的で必須の資格が定められていないため、極端なはなしでは、無資格未経験でも床下に入りシロアリの調査をすることができるのです。
シロアリや家屋についての専門知識をもち、十分な経験を積んできている業者かどうかを確かめるためには、クチコミや実績のほかに日本しろあり対策協会が定める「しろあり防除施工士」という資格があります。
「しろあり防除施工士」の資格を保有していることは、しろありについて専門知識をもっている、というひとつの指標になります。
複数のシロアリ業者の見積もりをとって比較することも大切
シロアリ被害の現地調査、見積書の作成をしたからといって、必ず契約する必要はありません。
シロアリ防除に関する知識をもとから備えている人は少ないので、複数の業者の説明をきいいて徐々に理解できる部分も多くあるでしょう。
1社だけの話では、その業者が正しいことを言っているのか、安心して任せてよいのかわかりません。
時間的に余裕があれば、2~3社の現地調査・見積書作成を依頼して、説明をきくようにしましょう。
業者ごとの特徴や力のいれどころ、料金やサービス面での比較検討をすることが大切です。
シロアリ防除は無料の現地調査・見積書作成が一般的
シロアリ防除の契約前には、無料での現地調査・無料見積りが一般的です。
シロアリ被害は、放置すると深刻な被害をもたらす可能性があります。
無料調査を利用しながら、信頼できる業者をみつけて、シロアリ対策に取り組むことが大切です。
早期の対応が家屋を長く良い状態で保つカギとなります。